移住者紹介

IMMIGRANT

サーフスポットまで家から5分。“想定外”の高鍋移住で得たもの。

藤居 陽介さん・優さん

ふたりとも大阪生まれ、大阪育ち。共通の趣味であるサーフィンで結ばれた藤居さんご夫婦は、南国・宮崎の波を求めて、2022年の春に太陽くん(5歳)、星(ひかり)ちゃん(3歳)と高鍋町にやってきました。現在、陽介さんは消防士、優さんは事務のパートとヨガインストラクターの二足のわらじをはいて生活しています。

― 宮崎県にサーフスポットはたくさんあると思うのですが、どうして高鍋町に?

陽介さん:高鍋町を含む東児湯地域の消防を担う「東児湯消防組合消防本部」が、職務経験者を募集していることを知ったのがきっかけでした。受験資格の上限は40歳とあり、この年齢まで受け入れている自治体は全国的にも珍しく、当時35歳で消防士として勤務していた僕にはぴったりの好条件だったため、採用試験を受けることに決めました。
…とはいえ正直なところ、最初は高鍋町への移住はまったく頭になく、第一候補は同じ東児湯地域にある、移住支援制度の手厚い別の町でした。

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陽介さん:試しに移住検討者向けの滞在施設で数日過ごしてみた結果、すっかりその町が気に入りまして。いざ移住の準備を進めようとしたところ、残念なことに、その時はファミリー向けの平家が見つからなかったんです。
優さん:うちはまだ小さくてやんちゃな子どもが2人いるし、集合住宅だとご近所に迷惑をかけてしまうかもしれません。中古物件を見つけてリノベーションしようにも、近々仕事が始まるのでそんな時間的な余裕もありませんでしたし…。
やむなく近隣の町まで候補を広げて探し直した結果、やっと理想の戸建の賃貸物件が見つかり、それが高鍋町にあったんです。

― ということは、高鍋町への移住は完全に想定外?

陽介さん:実はそうです(笑)。
その時は悩みましたが、今となっては高鍋町に来てよかったと思いますよ。
まず、とにかく海がめちゃくちゃ近い!
高鍋町の蚊口浜でよくサーフィンをするのですが、家から車で3分、信号に捕まったとしても5分くらい。大阪に住んでいた頃は三重県か和歌山県のサーフスポットに3〜4時間かけて通っていましたから、当時と比べると大きな変化ですよね。

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移住後はほぼ毎日、高鍋の海に通っているそう。

優さん:町の公共施設やスーパーも中心部にコンパクトにまとまっているので、日々の生活も楽です。移住当初は車がなく、電動自転車で移動していたのですが、まったく困らなかったですよ。雨の日に少し面倒になるくらい(笑)

― 高鍋の暮らしを快適に過ごされているようで何よりです。
  お仕事の方はいかがですか?

陽介さん:順調ですよ。
サーフィンを趣味にしている同僚も多く、退勤後はよく一緒に海に行きます。業務も「みんなで協力していこう」という雰囲気が常にあって良いですね。プライベートも仕事も、自然体でいられる感覚があります。
優さん:私は通常はパート勤務ですが、土曜日はヨガ教室を開いています。

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優さん:高鍋町には今、定期的に通えるヨガスタジオがないんです。
ヨガは継続が大事ですから、高鍋町にお住まいの方が気軽にヨガを続けられる環境を整えたい! コツコツと受講者を増やして、自分のヨガスタジオをオープンするのが当面の目標です。

自然の中でたくましく育つ子どもたちの姿に感動

― お子さんたちは、もう高鍋の暮らしに慣れたでしょうか?

優さん:大阪では私の両親と暮らしていたので、最初は離れて寂しそうでしたけど…。保育園に入って友達ができたら、あっという間に馴染んでいましたよ。
陽介さん:早い時は15時半に保育園に迎えに行って、蚊口浜の公園に連れていくのがルーティンになっていて、外遊びする機会もぐっと増えました。そのおかげか、この子(太陽くん)は虫捕りが上達したんですよ。このまえ大阪に帰った時…びっくりしたよね?
優さん:そうそう。他の子が網を握って虫を追いかけているそばで、うちの子は軽々と素手で捕まえて、年上の子に虫を分けてあげていたんです! その頼れる姿を見て私、ちょっと感動しましたね(笑)。成長したんだなあと。
私たち自身はあまり海や山が身近でない環境で育ったものですから、子どものうちに自然の中で思いっきり遊ぶ経験をさせてあげられる有り難みを感じています。

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自宅の近くに閑静な並木道があり、そこでも子どもを自由に遊ばせられる。

優さん:都会は道が狭かったり、大きなトラックが通ったりして目が離せませんが、高鍋ではそんなこともありません。
陽介さん:その上、ご近所さんが声を掛けてくれたり、見守ってくれたりするから安心です。みんなが気に掛けてくれるんですよね。

― 素敵な環境ですね。
  逆に、長年過ごされた大阪の土地を離れてみて、不便さを感じることはありませんか?

陽介さん:僕はもちろん、この環境を自ら求めて来たので、満足しています。
それよりも、「田舎は不便なもの」だと思い込んでいただけに、こんなに暮らしやすいものかと驚いています。うれしい誤算でした。
大阪にいた頃を思い返してみても、特に文句のない暮らしができていたと思うんです。それでもやっぱり「来て良かった」と思えるほど、ここでの生活は充実していますね。
優さん:当然、ギャップを感じることはあります。“なんでもある”のが都会ですから。
でも一方で、情報や物に翻弄されて疲れてしまう面もあると思うんです。本当に自分が必要としているものが一体なんなのか、考える時間すらないと感じることもありました。
だからこそ、私は高鍋で「無いからこその心地良さ」を満喫しています。
サーフィン、子どもと過ごす時間、ヨガ……高鍋での生活で、自分にとって大切なものときちんと向き合えるようになりました。

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