移住者紹介

IMMIGRANT

仕事に家族にサーフィンに。このまちだからこその順風満帆な日々。

アイナ歯科クリニック院長

小俣憲司さん

歯科口腔外科で働いていた仙台で、東日本大震災で被災したのを機に、高鍋町へと移住してきた小俣さん。2014年には町内に「アイナ歯科クリニック」を開業し、新たな道を歩み始めました。それから6年、すっかり高鍋町民となった小俣さんはどんな暮らしを送っているのでしょう。

子どもたちが大きくなったら、このまちで活躍してもらいたい。

― 高鍋で歯科を開業されたのが6年前、小俣さんの中でこの間に変化はありましたか?

小俣さん : 一番大きな変化といえば家族ができたことですね。開業後すぐに結婚して、その後、4歳の長男と1歳の長女、2人の子どもに恵まれました。

― それはおめでとうございます。子どもができると生活も変わるでしょう。

小俣さん : 変わったところはないですねぇ(笑) サーフィンが目的でこのまちに移住してきて以来、朝、仕事前に海に入るという毎日なんですが、それは子どもたちが生まれてからも続けています。
でも、子どもたちが生まれて、高鍋のことを思う気持ちは強くなりましたね。僕は神奈川で生まれ育って地方に移住したわけですけど、子どもたちは逆に都会に出たくなると思うんです。実際にそうなった時、このまちが「いつかは帰ってきたい」と思える存在であってほしい。
高鍋は、都会より楽しくてやりがいのある仕事ができるし、人間にも恵まれている。子どもたちには、この魅力あふれるまちで活躍できる人間になってもらいたいです。

― 子どもたちがそんな風に育つように意識していることはあるんですか?

小俣さん : 基本的には自由奔放。ただ、海で山で、都会ではできないことをたくさん経験しています。
特に、僕のホームフィールドである海には、サーフィン仲間の子どもたちがたくさんいて、ずっと一緒に遊んでる。そこでは、年上の子どもが年下のこどもの面倒を見るという関係が、自然にできあがっているんです。
そんな環境の中で育っていけば、特別に何かをしなくとも自然とこのまちで暮らしたいと思うようになるんじゃないかな。

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奥さんの弥生さん、長男の縁ノ介くん、長女の楽波さんと訪れたのは、子どもたちが宮崎で一番好きな場所という高鍋町蚊口浜。小俣さんのホームスポットでもあります。


― お仕事の方はいかがですか?

小俣さん : おかげさまで順調なんですが、来院者の半分以上が子どもなんですよ。
昔から子どもは好きでしたけど、実際に自分が親の立場になってみて、来院される子どものお母さん、お父さんの気持ちに、より共感できるようになりました。

― そんな先生だと、連れてくる親としても安心ですよね。
子どもが半分以上というのは意図してそうされたんですか?

小俣さん : うちは予防歯科だということもあって、治療ではなく検診がメインなんです。0歳児の頃からむし歯ができない環境づくりの取り組みをしていることもあって、子どもの数が増えてきたんだと思います。

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ゆくゆくは、高鍋町を“子どもむし歯ゼロのまち”にするのが目標なのだそう。

志をもった移住者がつどいますます活気のある場所へ。

― 移住当初から地域活動にも積極的だったとお聞きしましたが、現在はどのようなことを?

小俣さん : 参加しているNPO法人で、子どもや高齢者向けのサーフィンスクールや災害時の救助活動、ノルディックウォーキング教室などを開催しています。歯科を開業したのも、まったくのよそ者だった僕を温かく迎えたくれたこのまちに貢献したいという思いがあったからなんですけど、それ以外の面からも少しでも高鍋を盛り上げていければと思っています。

― あらためて高鍋町の魅力を教えてください。

小俣さん : 僕が来てから今日までの間にたくさんの方が移住されてきました。以前は、来たいんだけど仕事がないので来られないという方が結構いたんですけど、雇用の受け皿が増えて、そこがかなり改善されてきたと感じています。
それと、移住してきた人たちがいろいろな目的を持っていて、それを具現化していくので、まちがどんどん活性化している。若い人も増えていますしね。

― これから先の計画は?

小俣さん : ちょうど今週から工事が始まるんですけど、子どもの検診専用施設を建設します。
先ほどお話ししたようにうちの院は子どもの割合が大きいので、午後の待合室はまさに保育園状態。それだったら、一層のこと子どもたちが走り回れるような待合室をつくろうと。年内にはオープンする予定です。

― 順風満帆ですね。

小俣さん : やるだけやります(笑)!

― 最後に、移住の先輩として移住を考えていられる方へのアドバイスを。

小俣さん : 一言で言うと覚悟です。やっぱり失うものは失うんですよ。都会ならではの便利さだったり、楽しみだったり。でも、ここには都会にはない生活のしやすさや楽しみがある。なにより心にゆとりが持てる。
それと何を求めて移住をするかですね。都会の生活があっている人間もいれば、本当は田舎の方が合っているのにという人もいる。移住をして何をしたいのか。たとえば「農業がやりたい」だったり、「地域医療を盛り上げたい」だったり。そんな信念があれば、それまでの生活を捨てたとしても、移住先で新たな生活を見つけられると思うし、つらいことがあってもつらいとは思わずにすべてを楽しめる。覚悟と信念があればどこにいっても成功できると僕は思います。

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